• Home

  • 本編

  • 関連サイト

  • Blog

  • More

    BBC SHERLOCK

    日本語訳

    <非公式>

    サイト内は過去掲載分も含め、日々更新していますので

    こまめにリロード(再読み込み)をして最新の状態でご覧ください

    大いなるゲーム 4

    221B。Sherlockはキッチンに閉じ籠り、運動靴の入った袋をテーブルの上に置き、Carl Powers少年の事件について1989年当時の新聞記事や写真を調べていた。閉められたドアの反対側、リビングではJohnがうろうろと歩き回っていたが、とうとう立ち止まってスライド式のドアを引き開けた。

    JW: 手伝おうか?

    Sherlockは何も反応しない。

    JW: 手伝いたいんだよ。あと五時間しかないんだぞ。

    するとJohnの携帯電話がメールの受信を知らせた。ズボンのポケットから電話を取り出してメッセージを確認する。

    Any developments?

    Mycroft Holmes

    [何か進展は? Mycroft Holmes]

    JW: 君の兄さんだ。今や僕にもメールを。

    そこでJohnは顔をしかめた。

    JW: 何で僕の番号知ってるんだ?

    SH: (考え込みながら)歯が痛いんだろ。(※)

    電話を置いてJohnはキッチンに入った。

    JW: おい、「国家的な重要事項」って言ってたじゃないか。

    Sherlockは鼻でふんと言うばかりで調べ物から顔を上げようとはしなかった。

    SH: 古風だな。

    JW: 何が?

    SH: 君だよ。女王陛下とお国のために、か。

    JW: (厳しい口調で)無視すべきじゃないだろ。

    SH: 無視なんかしてない。ちょうど今、最適な人材を担当につけるところだ。

    JW: そうか、良かった。

    Johnは腕を組んで満足そうに頷いていたが、やがて困惑しながらSherlockを眺めた。

    JW: それって、誰のこと?

     

    ※「歯が痛いんだろ」

    …“Must be a root canal” root canalは歯の根管。Mycroftが歯の治療をしているという推理から。また、root=引っ掻き回して探す(特に豚が鼻で地面を掘り起こして食べ物を探す) Johnの電話番号を探り出したこと、そしてMycroftが太っていることへのあてつけ?canal=管。

     

     

    しばらく経ち、ジャケットとネクタイ姿のJohnは思わず怖気づいてしまうような巨大なオフィスに置かれた机へ向かい合って腰掛けていた。しばらく待たされている様子で不安気に腕時計へ目をやる。するとドアが開き、報告書に目を通しながらMycroftが入ってきた。

    MH: John。結構なことだ。あまり待たされないよう願っていたからね。

    報告書を眺めながらMycroftが机へ歩み寄ってくるとJohnは礼儀正しく立ち上がった。

    MH: 力になれることはあるかな?

    MycroftはJohnの前を通り、横柄に着席の許可を示すように彼の方へ手を振ってみせながら机に報告書を置いた。

    JW: どうも。(椅子に腰を下ろす)あの、まあ、僕の考えでは…いえ、弟さんが、僕を寄越したんです、盗まれた計画書、ミサイルの計画書について情報を集めるように、と。

    Mycroftは肩越しにJohnを見て微笑みかけた。

    MH: あいつが?

    JW: ええ。

    少し緊張した面持ちでJohnが微笑みを返すと、Mycroftは彼の方を向いて机に寄り掛かった。

    JW: 彼は今調査してるところで。

    痛みを抑えるようにMycroftは口元の右側に手を当てた。

    JW: 彼は、えーと、調査の真っ最中で。

    Mycroftは手を下ろし、まったく信じていない様子で笑みを浮かべた。

    JW: あの、亡くなった男について何か他に教えていただけないかな、と。

    MH: ああ、27歳、ヴォクソール・クロスの事務員-そう、MI6の(※)。彼はブルース・パーティントン計画にわずかな権限で関わっていた。セキュリティ・チェックはA-問題ない、テロリストとの関係もしくはそういった思想への共感もなく…

    -Andrew Westが若い金髪の女性とソファに座っている。彼が非常に不安そうにしているのに気付かず女は彼の肩に身を寄せた。

    MH: フィアンセが最後に姿を見たのは昨夜10時30分だった。

    -Westは立ち上がって窓の外に広がる夜の景色を眺めている。

    Westie: Lucy、ごめん、出掛けないと。人に会う用事があるんだ。

     そう言って部屋を急いで後にする。Lucyは後ろから呼びかける。

    Lucy: Westie!

    -その後Westieは線路脇に横たわる死体となった。

    JW: そうですか。バタシーで発見されたんですよね?じゃあ電車に乗ったんだな。

    MH: いや。

    JW: え?

    MH: オイスター・カード(※)を持っていたが…

    そこでMycroftは顔をしかめ、手を口元に当てた。Johnはそれを見て眉をひそめながら、Mycroftは歯の治療をしているというSherlockの推理は当たっているかもしれないと思い始めていた。

    MH: …しかし使用履歴はなかった。

    JW: 切符を買ったんでしょう。

    MH: (手を下ろして)遺体に切符は見当たらなかったよ。

    JW: では…

    MH: では如何にして彼は頭部を潰された状態でバタシーの線路で事切れたのか?それが問題なのだ-私はSherlockがそれに対する答えを導き出すことを切に願っている。あいつの様子はどうだね?

    JW: み-見事ですよ、ええ。ああ、その-その、とても…順調です。その、あの、ねえ-熱心に取り組んでますよ。

    Johnはそう言葉を濁しながらMicroftに笑って見せた。

     

    ※ヴォクソール・クロス / MI6

    …ヴォクソールはロンドン(グレーター・ロンドン)ランベス区ノースランベスの地区。ヴォクソール・クロスはそこにある交差点で「ロンドン南部でもっとも不快なジャンクションのひとつ」と評される。そのそばに英国政府の秘密諜報部(Secret Intelligence Service、SIS)の本部がある。SISは旧称からMI6(エムアイシックス、Military Intelligence section 6、軍情報部第6課)としても知られており、公式サイトに表示されているロゴも SECRET INTELLIGENCE SERVICE MI6 となっている。

     

    ※オイスター・カード

    …ロンドン市内の公共交通機関で使用されている非接触型ICカード。日本のSuicaのようなもの。

     

     

    残り三時間。夜の闇が訪れ、女は未だ車の中ですすり泣いている。

     

     

    221B。Sherlockはキッチンのサイドテーブルへ移動し、顕微鏡を覗き込んでいた。そこへHudson夫人が一組のマグをトレイに載せて入ってきた。夫人がそれらをテーブルに置くとSherlockは顔を上げた。

    SH: 毒物。

    MrsH: 何のことかしら?

    するとSherlockは両手をサイドテーブルに叩きつけて叫んだ。

    SH: ボツリヌス菌!(※)

    Hudson夫人は縮み上がって逃げ出していった。Sherlockはリビングからやって来るJohnを見つけた。

    SH: 地球上でもっとも致死性の高い毒物のひとつだ!

    Johnは訳が分からずただ彼を眺めていた。

    SH: Carl Powersだよ!

    JW: おい、待てよ、殺されたって言うのか?

    Sherlockは立ち上がり、運動靴の靴紐を吊るしていたキッチンの一角へ歩み寄った。

    SH: 少年は湿疹に悩まされていた。彼の使っている薬に毒物を混入させるのは至極容易だっただろう。ロンドンからやって来た二時間後、毒物の効果が現れ筋肉が麻痺し、溺死したんだ。

    JW: そんな-な、何で検死のときに発覚しなかったんだ?

    SH: 検出するのは事実上不可能だ。誰も探しはしなかっただろうし。

    Sherlockはラップトップへ歩み寄った。画面には彼のwebサイト、The Science of DeductionのForumページが表示されている。そのメッセージ欄へ入力を始めた。

    FOUND! Pair of trainers belonging to Carl Powers (1978-1989).

    [見つけた!運動靴の持ち主はCarl Powers (1978-1989)。]

    SH: (起き上がって靴紐を指し)だが靴の内側、彼が足にクリームを塗布した箇所に微量ながらまだ残っている。(再びラップトップへ文章を入力する)

    Botulinum toxin still present. Apply 221b Baker St.

    [ボツリヌス毒素が未だ見受けられる。221b Baker Stにて]

    メッセージを送信して起き上がった。

    SH: だから持ち去られたんだ。

    JW: で、どうやって爆弾魔に知らせるんだ?

    SH: 奴の注意を引き…

    JW: ふむ。

    SH: (自分の腕時計を見ながら)…「時間」を止める。

    JW: その殺人犯は今までずっと靴を隠し持っていた。

    SH: そうだ。(Johnへ顔を向けて)つまり…

    JW: 奴の目的は僕らだ。

    サイドテーブルに置いていたピンクのiPhoneが鳴り出した。Sherlockが駆け寄って内容を確かめる。駐車場で女が苦しく悶えながらポケットベルから最新のメッセージを読み上げた。

    女: 「よくできました。迎えに来ていいよ。」

    SH: (大声ではっきりと)どこなんだ?どこにいるのか教えてくれ。

    しばらく経ち、不安気に車の窓から外の様子を伺っている女の元へ防護服を身につけた爆発物処理班が向かっていった。

     

    ※ボツリヌス菌

    …ボツリヌス菌(学名:Clostridium botulinum)が作り出すボツリヌス毒素(ボツリヌストキシン)は非常に強い毒性をもつ。

    「ボツリヌス毒素の致死量は体重70kgのヒトに対しA型毒素を吸入させた場合、0.7〜0.9μgと考えられており、ボツリヌス毒素1gの殺傷力は約100万人とも言われる(ちなみに青酸カリは経口投与の場合5人/g)。自然界に存在する毒素としては最も強力である」「ボツリヌス毒素は主に四肢の麻痺を引き起こす。重篤な場合は呼吸筋を麻痺させ死に至る」-Wikipedia「ボツリヌス菌」より

     

     

    朝。スコットランド・ヤード。二人はLestradeのオフィスにいた。Sherlockは口元の前で合わせた両手の指先を軽く叩きながら窓のそばに立っている。自分の机に向かって座るLeastradeの向かい側にJohnが腰掛けていた。

    GL: コーンウォール(※)在住。覆面をした二人組の男に脅され駐車場まで運転し、家一軒を破壊するのに相当する威力の爆発物を身につけさせられた。

    机に歩み寄るSherlockの方へ顔を上げる。

    GL: 君に電話をかけるよう指示された。このポケットベルのメッセージを読み上げろ、と。

    警部が机の上に置いたポケットベルをJohnが手に取って眺めた。

    SH: そして一言でも逸脱すればスナイパーが彼女を爆破する。

    JW: それと君が事件を解決しなければ、ね。

    SH: (窓の方へ戻りながら独り言のように小声で)ふん。見事だな。

    Johnは顔を上げ、腹立ち紛れに溜息をこぼした。

    JW: 「見事」だと?

    GL: だが何が目的で?何でこんなことするんだ?

    SH: ああ-この世界で退屈してるのは僕だけじゃないようだな。

    そう言いながら彼は退屈しきった自分が壁に穴を開けていた時のことを思い出していた。

    そこで再びピンクのiPhoneがメッセージを受信したことを知らせ、Johnは顔を向けた。

    通知音: 新しいメッセージが一件あります。

    SherlockがLestradeの机へ歩み寄る間に電話から再び時報の音が再生されたが、今回は三つの短音とひとつの長音のみだった。

    JW: 音は四つだ。

    SH: 最初のテストをパスした、ということだろう。今度は二つ目だ。

    そう言って新しい画像を他の二人に見せた。それは一台の車を接写したもので運転席のドアが開いており、ナンバープレートをはっきりと確認することができた。JohnとLestradeがもっと間近に見ようと立ち上がると、外のオフィスで電話が鳴り出した。

    SH: 廃車になってる、って言うんだろう?

    GL: 報告済みか確認する。

    警部が電話を手にするとDonovan巡査部長が別の電話を持って部屋にやって来た。

    SD: 変人、あんたによ。

    Sherlockは歩み寄って電話を受け取るとそのまま外のオフィスへ出て耳に当てた。Johnは椅子へ腰を下ろした。

    SH: もしもし?

    聞こえてきたのは若い男の怯えたような声だった。

    男: 「警察に行ったのは良しとしよう。」

    SH: 誰だ?またお前なのか?

    男: 「でもあいつらを信用するなよ。」

    Lestradeの部屋で椅子に座って辺りを見回していたJohnはSherlockの表情を見てハッとした。

    男: 「君って賢いな、Carl Powersに思い至るなんて。」

    何処かの通りの人混みの中に立ち、ポケットベルのメッセージを読み上げている若い男の姿が垣間見えた。

    男: 「あいつが気に食わなかったんだ。」

    Sherlockは鋭く辺りを見渡した。男が着ているジップアップの上着の裾から何かの配線ケーブルが見える。涙を堪えながら読み上げる。

    男: 「Carlは僕を笑った、だからもう笑えないようにしてやったんだ。」

    部屋を出たJohnは心配そうにSherlockを見ながら歩み寄った。

    SH: (電話へ)そして別の人間の声まで手に入れたとみえる。

    男: 「これは僕と君のことなんだよ。」

    一台のバスがけたたましい音を立てて男のそばを通り過ぎた。

    SH: お前は誰なんだ?

    更にたくさんの車が通り過ぎていく。

    SH: その音は何なんだ?

    男は泣き出さないようにもがきながらポケットベルを見下ろす。

    男: 「日常が作り出す音だよ、Sherlock。」

    男の立っている場所がようやく明らかになった。そこは道路の上の島、ピカデリーサーカス(※)だった。歩行者たちは涙ながらに苦しんでいる男に注意を払うことなく通り過ぎていく。

    男: (メッセージを読み上げる)「でも心配しなくていいよ…」

    視線を落とすとジャケットの上に赤いレーザーポイントの光が見え、男は更なる恐怖に包まれた。

    男: 「…僕がすぐに片付けてあげるから。」

    少し声を詰まらせてから男は先を続けた。

    男: 「九時間で最初のパズルを解いたね。今回は八時間だ。」

    Lestradeは自室で電話をしている。

    GL: わかった…ありがとう。

    電話を置いて外に呼びかけた。

    GL: 見つけたぞ。

    通話が切れるとSherlockはLestradeの方へ振り返った。

     

    ※コーンウォール

    …イングランド南西端の州。

     

    ※ピカデリーサーカス(Piccadilly Circus)

    …ロンドンのウェストミンスター区にある広場(「サーカス」は「通りの合流点における円形の空き地」の意味)。

     

     

    川沿いの広い空き地、車が発見された場所に警察が到着していた。保護服に身を包んだ鑑識官らが車を検査しており、LestradeがSherlockを案内していった。JohnとSallyが二人の後から続いて歩く。

    GL: (報告書を見ながら)昨日の朝、車を借りたのはIan Monkford、銀行員だな、シティ勤めの。支払いは現金。

    婦人警官と話をしている女に注意を向けながらSherlockはそのそばを通り過ぎる。

    GL: 女房には出張に行くと言っていたそうだが何処にも到着してない。

    SherlockとLestradeが車の助手席へ着くとSallyがJohnに話し掛けた。

    SD: まだあいつについて回ってる。

    JW: うん、まあ…

    SD: 正反対のものに惹かれるってことね。

    JW: いや、僕らはそういう…

    SD: 何か趣味でも見つけたら?切手集めとか。鉄道模型とか。害のないもの。

    Sallyはそう言うとLestradeのそばへ立とうと先へ進んだ。Sherlockは車の中へ屈み込み、前の二つの席の間に大量に残された血液の跡を眺めた。ダッシュボードの小物入れを開ける。

    GL: 訊かれる前に言っておくが、そう、それはMonkfordの血液だ。DNAが一致する。

    Sherlockは小物入れの中で一枚の名刺を見つけるとそれを手に取り、蓋を閉めて身体を起こした。

    SH: 遺体は無し。

    SD: 『まだ』ね。

    SH: (Lestradeに)ラボにサンプルを送っておいてくれ。

    LestradeがうなずくとSherlockは車を離れた。Lestradeは振り向いてSallyを鋭く見やった。Sallyは憮然として見返したがLestradeは負けじと視線を逸らさなかったので、腹立ち紛れに足を踏み鳴らしながらその場を後にした。Sherlockは先程警官と話していた女性へ歩み寄った。

    SH: 奥様ですか?

    涙を目に溜めながら女性が振り返る。

    Monkford夫人: ええ。

    夫人は二人を見て溜め息をついた。

    Monkford夫人: 悪いけど警察の方にはもう二人もお話ししましたから。

    JW: いえ、僕らは警察じゃなくってですね、その…

    するとSherlockは夫人へ向かって手を差し伸べ、震える涙声で話し始めた。

    SH: Sherlock Holmesです。ご主人の古い友人で。僕らは、その…

    夫人と握手を交わすとSherlockは涙を堪えているかのようにうつむいた。

    SH: …一緒に育ちましてね。

    Monkford夫人: 失礼ですけど、どなた?主人からは伺っていないようですけれど。

    SH: (涙声で) おや、そんなはずはないんですが。こんな…恐ろしい目に遭うなんて。

    平静な表情を保つのが難しくなったJohnは顔を背けてごまかそうとしていた。

    SH: 私はただ、どうしても信じられなくって。私の知る彼じゃない。Ianって奴は-悩み事などないような男で。

    Sherlockは目に涙を溜めながら夫人に笑ってみせた。

    Monkford夫人: あら、でもあの人はここ何ヶ月もの間ずっと気が塞いでいたのよ。あなたどなたなの?

    SH: それにしても車を借りるなんて妙ですね。どうしてそんなことをしたのかな。なんだか怪しいですよね?

    今や彼の頬には涙が伝っていた。

    Monkford夫人: いいえ、違うの。あの人ったら自動車税の更新を忘れちゃってたのよ。だからなの。

    SH: ああ、ですよね、Ianって奴は!Ianはそういう奴『でした』ね!

    Monkford夫人: いいえ、そんなこと『なかった』わ。

    するとSherlockは瞬時に「演技」 を中断し、強烈な眼差しを夫人に向けた。

    SH: 『なかった』?それは結構。

    そう言うとSherlockは夫人に背を向けて立ち去ってしまった。Johnを連れて警察の張った警戒線へ歩いていく彼の後ろ姿をにらみつける夫人の元へ、婦人警官が駆け寄った。

    Monkford夫人: あれは一体誰なの?

     

     

    JW: (警戒線をくぐるSherlockへ)何であの人を騙した?

    SH: (手袋を外して涙を拭いながら)人は他人にものを教えるのを好まないが、反論は喜んでする。過去形、君は気付いたか?

    JW: え、何を?

    SH: 僕は夫について過去形で話した。あの女は引っ掛かった。予想以上だな-あいつらは車を見つけただけだ。

    JW: 彼女が夫を殺したとでも?

    SH: 全然違う。殺人犯はそんな誤ちを犯さない。

    JW: そうだな。んん、何が?何がそうなんだ?

    二人が横を通り過ぎるときにDonovanはJohnへ向かって呼び掛けた。

    SD: 釣り!釣りをやってみなさい!

    Johnは苛立ちながら彼女へうなずいてみせると再びSherlockの後を追った。

    JW: 今度は何処?

    SH: Janusレンタカー。

    Johnに名刺を手渡す。

    SH: ダッシュボードでこれを見つけた。

     

     

    残り六時間。

     

    本編メイン・ページへ

    5へ

    3へ

    original transcripts by Ariane DeVere